「十干十二支(じっかんじゅうにし)」に60通りもの組み合わせがあることをご存知ですか?
普段の生活では、年末年始になると話題にのぼる十二支の動物の種類で馴染み深いですが、その背後にある壮大な歴史や深い意味までを理解している人は少ないかもしれません。
この古代中国から伝わる宇宙観は、単なる暦ではなく、時間、方位、そして人の運命を読み解くための洗練されたシステムです。
この記事では、十干十二支60通りの基本的な仕組みやその計算方法、そして一つ一つの干支の読み方から、思想的背景にある陰陽五行の考え方まで、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します。
さらに、日本の歴史に大きな影響を与えた丙午の迷信や、人生の節目である還暦の本来の由来、そして占いの一種である四柱推命でどのように個人の性格や人との相性を読み解くのかについても深く掘り下げていきます。
ご自身の干支が一目でわかる便利な早見表の一覧もご用意しましたので、ぜひ最後までご覧いただき、古の知恵をあなたの日常に活かすヒントを見つけてください。
- 十干十二支がなぜ60通りになるのか、その数学的・哲学的仕組みがわかる
- 60通り全ての干支の読み方と、ご自身の干支を西暦から確認できる
- 丙午の迷信や還暦など、干支が日本の歴史や文化に与えた影響が理解できる
- 四柱推命など、占いの世界における干支の具体的な活用法が学べる
十干十二支60通りの仕組みをわかりやすく解説
- 十干と十二支の組み合わせの仕組み
- 思想の根幹にある陰陽五行とは
- 60通りの読み方を早見表一覧で確認
- 十二支でおなじみの動物と方位の関係
- 迫る2026年の丙午 その歴史的迷信
十干と十二支の組み合わせの仕組み

「えと」と聞くと、多くの人が子・丑・寅…といった12種類の動物を思い浮かべるでしょう。
しかし、それは本来の「干支(かんし)」を構成する要素の一つに過ぎません。
本来の干支は、「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」という、起源の異なる二つの要素を組み合わせて作られる、60を一つの周期とする壮大な暦の考え方です。
まるで大きさの違う二つの歯車が噛み合って時を刻むように、この二つのサイクルが連動して一つの大きな流れを生み出します。
まず、「十干」とは、甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)という10種類の記号のことを指します。
その起源は非常に古く、古代中国の殷の時代にまで遡り、甲骨文字として亀の甲羅や動物の骨に刻まれ、主に日を数えるための符号として使われていました。
10日で一巡りすることから、現在でも10日間を意味する「旬(じゅん)」という言葉の語源となっています。
一方、「十二支」は、子(し)・丑(ちゅう)・寅(いん)…といったお馴染みの12種類の記号です。
こちらは元々、月や時刻、そして方位を示すために用いられていました。
古代の天文学者が、太陽系の惑星の中で最も大きい木星(歳星)が約12年で天球を一周することに注目し、天を12の区域に分割して年の経過を記録したのが起源とされています。
この10種類の「十干」と12種類の「十二支」を、それぞれの最初の「甲」と「子」から順番に一つずつ組み合わせていくことで、「六十干支(ろくじっかんし)」、または六十花甲子(ろくじっかこうし)とも呼ばれる周期が生まれます。
「甲」と「子」で「甲子(きのえね)」、次は二番目の「乙」と「丑」で「乙丑(きのとうし)」となり、このプロセスが60回繰り返されて一巡するのです。
なぜ60通りになるの? 数学的原理
10種類の要素と12種類の要素を組み合わせるなら、単純な掛け算で120通りになるのでは?と疑問に思うかもしれません。
干支が60通りなのは、10と12の最小公倍数が60だからです。
長さの違う二つの周期が、ズレながら進んでいき、再び「甲子」というスタート地点に両者が同時に戻ってくるのが60回目、ということになります。
この60年という大きな時間の区切りが、後述する「還暦」という文化的な概念の基礎となっているのです。
このように、十干十二支は単なる動物占いや迷信の類ではなく、古代の人々が天体の動きを観察し、時間を体系的に理解するために生み出した、数学的で合理的なシステムがその原点にあるのです。
思想の根幹にある陰陽五行とは

十干十二支の組み合わせのルールと、その一つ一つが持つ深い意味を理解する上で、絶対に欠かせないのが東洋思想の根幹をなす「陰陽五行(おんみょうごぎょう)思想」です。
これは、自然界のすべてのものは、互いに対立し補い合う「陰」と「陽」の二つの側面を持ち、さらに「木・火・土・金・水」という五つの基本要素(五行)の相互作用によって変化し、循環しているという壮大な自然哲学を指します。
この深遠な思想が、もともとは暦の符号であった十干と十二支に付与され、単なる記号から宇宙のエネルギーを表す象徴へと昇華させました。
十干と陰陽五行
十干は、五行の各要素をさらに能動的な「陽」と受動的な「陰」に分けたものに、それぞれ対応しています。
日本語の訓読みでは、陽を「兄(え)」、陰を「弟(と)」と表現し、これが「甲(きのえ)」「乙(きのと)」といった独特の読み方の由来となっています。
五行 | 陽(兄) | 陰(弟) | 性質・イメージ |
---|---|---|---|
木 (もく) | 甲 (きのえ) | 乙 (きのと) | 樹木、草花。成長、発展、春の象徴。 |
火 (か) | 丙 (ひのえ) | 丁 (ひのと) | 太陽、灯火。情熱、変化、夏の象徴。 |
土 (ど) | 戊 (つちのえ) | 己 (つちのと) | 山、大地。安定、育成、季節の変わる土用の象徴。 |
金 (ごん) | 庚 (かのえ) | 辛 (かのと) | 鉱物、金属。収穫、決断、秋の象徴。 |
水 (すい) | 壬 (みずのえ) | 癸 (みずのと) | 海、雨。知恵、潤い、冬の象徴。 |
十二支と陰陽
十二支も同様に、周期の順番に従って陰陽が割り当てられています。
覚え方としては、単純に奇数番目が「陽」、偶数番目が「陰」となります。
- 陽の十二支:子(1)、寅(3)、辰(5)、午(7)、申(9)、戌(11)
- 陰の十二支:丑(2)、卯(4)、巳(6)、未(8)、酉(10)、亥(12)
宇宙の調和を示す組み合わせの絶対的ルール

六十干支が成立する上で最も重要な哲学的ルールは、「陽の性質を持つ十干は、陽の性質を持つ十二支としか結びつかず、陰の十干は陰の十二支としか結びつかない」というものです。
これを「陰陽配合」と呼びます。
例えば、「甲(木の陽)」と「子(水の陽)」で「甲子」は成立しますが、「甲(陽)」と「丑(土の陰)」という、陰陽が不一致な組み合わせは周期の中に存在しません。
この哲学的制約こそが、数学的にありえる120通りの組み合わせの中から半分を自然に排除し、結果として60通りの干支を生み出しているのです。
これは、古代の人々が宇宙を、無秩序な力の衝突ではなく、異なる性質が調和し、共鳴し合うことで成り立つ、秩序ある美しい世界として捉えていたことの何よりの証左と言えるでしょう。
陰陽五行については、こちらの記事で詳しく取り上げています。
→陰陽五行を調べる|生年月日でわかるあなたの性格と相性
60通りの読み方を早見表一覧で確認
ここでは、六十干支の全ての組み合わせを、その読み方や近年における該当の西暦とともに一覧表でご紹介します。
音読みと訓読みがあり、特に訓読みは日本独自の文化で、干支が持つ自然のイメージをより豊かに伝えてくれます。
ご自身の生まれた年がどの干支にあたるか、そしてそれがどのような性質を象徴しているのかを確認してみるのも面白いかもしれません。
この表は情報量が多いため、横にスクロールできるようになっています。スマートフォンでご覧の方は、表の上で左右にスワイプして全体をご確認ください。
番号 | 干支 | 訓読み | 音読み | 近年の西暦例 |
---|---|---|---|---|
1 | 甲子 | きのえね | かっし | 1924, 1984, 2044 |
2 | 乙丑 | きのとうし | いっちゅう | 1925, 1985, 2045 |
3 | 丙寅 | ひのえとら | へいいん | 1926, 1986, 2046 |
4 | 丁卯 | ひのとう | ていぼう | 1927, 1987, 2047 |
5 | 戊辰 | つちのえたつ | ぼしん | 1928, 1988, 2048 |
6 | 己巳 | つちのとみ | きし | 1929, 1989, 2049 |
7 | 庚午 | かのえうま | こうご | 1930, 1990, 2050 |
8 | 辛未 | かのとひつじ | しんび | 1931, 1991, 2051 |
9 | 壬申 | みずのえさる | じんしん | 1932, 1992, 2052 |
10 | 癸酉 | みずのととり | きゆう | 1933, 1993, 2053 |
11 | 甲戌 | きのえいぬ | こうじゅつ | 1934, 1994, 2054 |
12 | 乙亥 | きのとい | いつがい | 1935, 1995, 2055 |
13 | 丙子 | ひのえね | へいし | 1936, 1996, 2056 |
14 | 丁丑 | ひのとうし | ていちゅう | 1937, 1997, 2057 |
15 | 戊寅 | つちのえとら | ぼいん | 1938, 1998, 2058 |
16 | 己卯 | つちのとう | きぼう | 1939, 1999, 2059 |
17 | 庚辰 | かのえたつ | こうしん | 1940, 2000, 2060 |
18 | 辛巳 | かのとみ | しんし | 1941, 2001, 2061 |
19 | 壬午 | みずのえうま | じんご | 1942, 2002, 2062 |
20 | 癸未 | みずのとひつじ | きび | 1943, 2003, 2063 |
21 | 甲申 | きのえさる | こうしん | 1944, 2004, 2064 |
22 | 乙酉 | きのととり | いつゆう | 1945, 2005, 2065 |
23 | 丙戌 | ひのえいぬ | へいじゅつ | 1946, 2006, 2066 |
24 | 丁亥 | ひのとい | ていがい | 1947, 2007, 2067 |
25 | 戊子 | つちのえね | ぼし | 1948, 2008, 2068 |
26 | 己丑 | つちのとうし | きちゅう | 1949, 2009, 2069 |
27 | 庚寅 | かのえとら | こういん | 1950, 2010, 2070 |
28 | 辛卯 | かのとう | しんぼう | 1951, 2011, 2071 |
29 | 壬辰 | みずのえたつ | じんしん | 1952, 2012, 2072 |
30 | 癸巳 | みずのとみ | きし | 1953, 2013, 2073 |
31 | 甲午 | きのえうま | こうご | 1954, 2014, 2074 |
32 | 乙未 | きのとひつじ | いつび | 1955, 2015, 2075 |
33 | 丙申 | ひのえさる | へいしん | 1956, 2016, 2076 |
34 | 丁酉 | ひのととり | ていゆう | 1957, 2017, 2077 |
35 | 戊戌 | つちのえいぬ | ぼじゅつ | 1958, 2018, 2078 |
36 | 己亥 | つちのとい | きがい | 1959, 2019, 2079 |
37 | 庚子 | かのえね | こうし | 1960, 2020, 2080 |
38 | 辛丑 | かのとうし | しんちゅう | 1961, 2021, 2081 |
39 | 壬寅 | みずのえとら | じんいん | 1962, 2022, 2082 |
40 | 癸卯 | みずのとう | きぼう | 1963, 2023, 2083 |
41 | 甲辰 | きのえたつ | こうしん | 1964, 2024, 2084 |
42 | 乙巳 | きのとみ | いつし | 1965, 2025, 2085 |
43 | 丙午 | ひのえうま | へいご | 1906, 1966, 2026 |
44 | 丁未 | ひのとひつじ | ていび | 1907, 1967, 2027 |
45 | 戊申 | つちのえさる | ぼしん | 1908, 1968, 2028 |
46 | 己酉 | つちのととり | きゆう | 1909, 1969, 2029 |
47 | 庚戌 | かのえいぬ | こうじゅつ | 1910, 1970, 2030 |
48 | 辛亥 | かのとい | しんがい | 1911, 1971, 2031 |
49 | 壬子 | みずのえね | じんし | 1912, 1972, 2032 |
50 | 癸丑 | みずのとうし | きいちゅう | 1913, 1973, 2033 |
51 | 甲寅 | きのえとら | こういん | 1914, 1974, 2034 |
52 | 乙卯 | きのとう | いつぼう | 1915, 1975, 2035 |
53 | 丙辰 | ひのえたつ | へいしん | 1916, 1976, 2036 |
54 | 丁巳 | ひのとみ | ていし | 1917, 1977, 2037 |
55 | 戊午 | つちのえうま | ぼご | 1918, 1978, 2038 |
56 | 己未 | つちのとひつじ | きび | 1919, 1979, 2039 |
57 | 庚申 | かのえさる | こうしん | 1920, 1980, 2040 |
58 | 辛酉 | かのととり | しんゆう | 1921, 1981, 2041 |
59 | 壬戌 | みずのえいぬ | じんじゅつ | 1922, 1982, 2042 |
60 | 癸亥 | みずのとい | きがい | 1923, 1983, 2043 |
豆知識:甲子園球場の名前の由来
日本で最も有名な野球場の一つである「阪神甲子園球場」は、この六十干支に由来しています。
球場が完成した1924年が、奇しくも60年周期の始まりである「甲子(きのえね)」の年でした。
物事の始まりに最も縁起が良いとされる甲子の年に建てられたことから、その名が付けられたのです。
十二支でおなじみの動物と方位の関係

十二支といえば、やはりお馴染みの12種類の動物たちです。
しかし、驚くべきことに、この動物との結びつきは、実は後から加えられたものであったことをご存知でしょうか。
もともとは天文学上の位置を示すための抽象的な記号だった十二支を、文字の読めない人々を含む一般民衆に広く普及させるため、覚えやすいように身近な動物が割り当てられたという説が有力です。
この民衆化の試みは見事に成功し、現代では「えと=動物」というイメージが完全に定着しました。
ただ、本来の役割であった時間や空間を示す機能も、私たちの言葉や文化の中に、今なお深く、そしてはっきりとその痕跡を残しています。
時間(十二時辰)を示す言葉
古くは一日を12の区域に分け、それぞれに十二支を当てはめて時間を管理していました。
これを十二時辰(じゅうにじしん)と呼びます。
例えば、「子の刻」は現代の午後11時から午前1時までの2時間を示します。
そして、私たちの日常に溶け込んでいる「正午」という言葉は、まさに「午の刻(午前11時~午後1時)の真ん中」を意味しており、そこから「午前」「午後」という言葉が生まれました。
方位(十二方位)を示す言葉
十二支は方位も示しており、北を「子」として時計回りに30度ずつ、360度の全方位が配置されています。
この考え方は、現代の私たちの文化にも影響を与えています。
- 鬼門(きもん):
北東(丑と寅の間)の方角を指します。陰陽道において鬼(邪気)が出入りする不吉な方角とされ、平安時代の都づくりから現代の家相に至るまで、この方角を避ける、あるいは清めるという文化が根付いています。 - 子午線(しごせん):
地図で使われる南北を結ぶ経線のことです。これも、真北の「子」と真南の「午」を結ぶ線であることから名付けられています。
このように、十二支は単なる動物のシンボルではなく、私たちの生活の隅々にまで浸透した、時間と空間を測るための壮大な物差しだったのです。
迫る2026年の丙午 その歴史的迷信

六十干支の中でも、他の追随を許さないほど強烈な文化的影響力を持つのが「丙午(ひのえうま)」です。
「火」の陽のエネルギーが重なるこの干支は、非常に強い力を持つとされ、そこから「丙午の年に生まれた女性は気性が激しく、夫の運を食い殺す(命を縮める)」という迷信が生まれ、特に日本で古くから根強く信じられてきました。
この迷信の由来としてよく語られるのが、江戸時代に恋人に会いたい一心で放火事件を起こしたとされる「八百屋お七」の物語です。
彼女が丙午の生まれだった、と井原西鶴の『好色五人女』などで描かれたことから、物語の流行と共に迷信も全国に定着していったと言われています。
しかし、これはあくまで物語上の脚色であり、歴史的な事実とは異なる可能性が高いようです。
迷信が統計に刻んだ衝撃の事実
この迷信が単なる言い伝えで終わらないことを、日本の人口動態統計がはっきりと証明しています。
直近の丙午であった1966年(昭和41年)、日本の出生数は前年の約182万人から約136万人にまで激減しました。
これは前年比で実に25%以上の減少であり、合計特殊出生率も戦後最低水準の1.58まで落ち込みました。
これは、迷信を信じるか否かにかかわらず、「丙午生まれの娘」という社会的スティグマ(烙印)を恐れた多くの夫婦が、この年の妊娠・出産を意図的に避けた結果だと考えられています。(出典:厚生労働省「昭和41年の合計特殊出生率について」)
科学的根拠のない迷信が、近代国家の人口動態をこれほどまでに大きく歪めた例は、世界的に見ても極めて稀です。
そして、60年の時を経て、次の丙午は2026年にやってきます。
少子化が深刻な社会問題となっている現代の日本において、この迷信が再び人々の行動に影響を与えるのか。
それとも、単なる過去の俗信として忘れ去られるのか。
2026年は、私たちの社会の意識や価値観の変化を測る、一つの大きな試金石となるかもしれません。
丙午については、こちらの記事で詳しく取り上げています。
→丙午はなぜ悪い?迷信の由来と2026年を幸運にする対策
十干十二支60通りで知るあなたの運勢
- 人生の節目である還暦が持つ意味
- 四柱推命でわかるあなたの性格
- 気になる相手との相性をチェック
- もっと詳しく知るなら占いがおすすめ
- 十干十二支60通りを本格的に占うには
人生の節目である還暦が持つ意味

人生の大きな節目として広く知られる「還暦(かんれき)」。
現代では「長寿祝いの始まり」といった程度の認識かもしれませんが、なぜ60歳(数え年で61歳)という年齢でお祝いするのか、その本来の深い理由も十干十二支に隠されています。
還暦とは、その文字が示す通り「暦が還る(かえる)」ことを意味します。
つまり、この世に生を受けてから60年の歳月が経つと、十干十二支の暦がちょうど一巡し、自分が生まれた年と全く同じ干支の年に再び巡り会うのです。
これを専門的には「本卦還り(ほんけがえり)」とも呼び、一つの大きなサイクルを終えて、再び生まれたての赤子に戻り、新たな人生が始まる、いわば「再生」「生まれ変わり」の年として非常に重要な意味を持っていました。
なぜ赤いちゃんちゃんこを着るの?
還暦祝いの象徴である赤いちゃんちゃんこや頭巾は、この「赤子に還る」という生まれ変わりの思想をストレートに表現したものです。
また、「赤」という色には、古くから魔除け・厄除けの色という意味合いがあり、無防備な赤子として再スタートするにあたって、災いを避けるという強い願いも込められているのです。
平均寿命が現代よりもずっと短かった時代には、60歳まで生きることは大変な長寿であり、家族や地域社会にとって大きな喜びでした。
還暦の祝いは、単なる誕生日祝いではなく、壮大な宇宙のリズムと個人の人生を重ね合わせ、無事に一つのサイクルを終えたことへの感謝と、これからの新たな人生への祝福を込めた、日本の美しい文化と言えるでしょう。
四柱推命でわかるあなたの性格

十干十二支は、暦や文化だけでなく、「命・卜・相(めい・ぼく・そう)」といった東アジアの占術の世界、特に人の運命を読み解く「命術」の王様とも言われる「四柱推命(しちゅうすいめい)」において、その核心をなす最も重要な要素です。
四柱推命では、人の運命や性格、才能は、その人がこの世に生を受けた瞬間の天地のエネルギーによって決定づけられると考えます。
その複雑なエネルギーを読み解くための設計図が、生まれた「年」「月」「日」「時間」のそれぞれを干支に置き換えたものです。
この4つの干支が、その人の運命を支える「四つの柱」となるため、四柱推命と呼ばれています。
運命を支える四つの柱の役割
- 年柱(ねんちゅう):その人のルーツや家系、人生の全体的な傾向を表す。
- 月柱(げっちゅう):社会での役割や仕事運、才能の在りかを示す。
- 日柱(にっちゅう):自分自身(本質)やプライベート、パートナーを表す最も重要な柱。
- 時柱(じちゅう):子供運や晩年の運勢、内面的な願望などを表す。
中でも、生まれた日の干支である「日柱(にっちゅう)」が、その人自身の核となる性格や恋愛傾向、配偶者との関係性を象徴する最も重要な柱とされています。
60通りある干支は、それぞれが固有のエネルギーバランスを持つ、詳細な人格のタイプ(元型)として解釈され、その人の長所や短所、乗り越えるべき課題などを教えてくれます。
例えば「甲子」の人は、逆境に耐え抜く大樹のような強さと真面目さを持ち、「乙丑」の人は、凍土から芽吹く福寿草のような粘り強さと優しさを秘めている、といった具合です。
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気になる相手との相性をチェック
四柱推命では、自分自身の性格や運命だけでなく、他者との相性、つまり人間関係の力学も詳細に占うことができます。
その根拠となるのも、それぞれの干支が持つ「五行(木・火・土・金・水)」のエネルギーが、互いにどのような影響を与え合うかという関係性です。
五行の関係性には、大きく分けて、相手を助け、力を生み出す「相生(そうじょう)」の関係と、相手を攻撃し、力を打ち消し合う「相剋(そうこく)」の関係、そして同じ気が重なる「比和(ひわ)」の3種類があります。
関係性 | 内容 | 人間関係での現れ方 |
---|---|---|
相生 (そうじょう) | 木→火→土→金→水→木…と、相手を生み出し、育むサイクル。 | 親子のように自然に助け合える関係。一緒にいると安心し、お互いが成長できる。 |
相剋 (そうこく) | 水×火、火×金、金×木…と、相手を攻撃し、抑制するサイクル。 | 緊張感が走りやすい関係。相手をコントロールしようとしたり、逆にプレッシャーを感じたりする。 |
比和 (ひわ) | 木と木、火と火など、同じ五行同士の関係。 | 友達のように対等で、気兼ねなく付き合える関係。ただし、似た者同士でぶつかることも。 |
例えば、あなたの「日柱」の十干が「甲(木)」で、気になる相手が「丁(火)」だったとします。
五行の関係では「木」が燃えることで「火」が生まれるため、これは典型的な「相生」の関係です。
あなたが相手を自然にサポートし、相手はそれによって輝きを増す、といった理想的な力学が働きやすいでしょう。
相剋は「悪い相性」ではない
相剋の関係だからといって、一概に「悪い相性」と決めつけるのは早計です。
例えば、木が育ちすぎるのを金(斧)が剪定するように、時には厳しい抑制や緊張関係が、お互いの成長に不可欠な刺激となることもあります。
ビジネスパートナーやライバルとしては、最高の関係性になる可能性も秘めているのです。
重要なのは、関係性の力学を知り、どうすればバランスを取れるかを考えることです。
実際の鑑定では、四柱全体の複雑なバランスを見て総合的に判断しますが、この基本的な五行の関係性を知るだけでも、人間関係の悩みを客観的に見つめ直す大きなヒントになるはずです。
もっと詳しく知るなら占いがおすすめ
ここまで、十干十二支の基本的な仕組みから、それが私たちの歴史や文化、そして個人の運命にどのように関わってきたかを解説してきました。
ご自身の干支を調べたり、ご家族や気になる人との相性を考えたりする中で、「もっと自分のことを深く知りたい」「この悩みについて具体的なアドバイスが欲しい」と感じた方も多いのではないでしょうか。
六十干支や四柱推命の世界は、自己分析のツールとして非常に強力ですが、その理論は極めて奥深く、個人の複雑な運命を正確に読み解くには、専門的な知識と長年の鑑定経験が必要です。
もちろん、自分一人で本を読み解き、知識を深めていくことも素晴らしい探求ですが、どうしても時間と手間がかかってしまいます。
もし、あなたが今、以下のような具体的な悩みや願望をお持ちであれば、一度プロの占い師に相談してみることを強くおすすめします。
こんな悩みはプロに相談
- 自分に本当に向いている仕事や才能、天職は何か知りたい
- 今のパートナーとの本当の相性や、今後の関係性の行方を知りたい
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- 繰り返してしまう人間関係のパターンから抜け出すヒントが欲しい
特に、近年利用者も増えている電話占いサービスなどを利用すれば、わざわざ鑑定所まで足を運ぶ必要がなく、ご自宅のリラックスした環境で、全国の実力ある占い師に鑑定を依頼することができます。
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十干十二支60通りを本格的に占うには
この記事では、古代の知恵の結晶である十干十二支60通りの世界について、その成り立ちから構造、そして現代に与える文化的な影響や占いへの応用まで、幅広くご紹介しました。
最後に、この記事の重要なポイントをリスト形式で振り返ってみましょう。
- 十干十二支は10種類の「十干」と12種類の「十二支」の組み合わせでできている
- 全部で60通りのパターンがあり、60年で一巡する壮大な周期を持つ
- 周期の数は10と12の最小公倍数という数学的法則に基づいている
- 宇宙の調和を示す「陰陽五行思想」がその思想的根幹にある
- 陽の干と陽の支、陰の干と陰の支という「陰陽配合」のルールで組み合わせが決まる
- 十二支に割り当てられた動物は、暦を民衆に普及させるための後付けの工夫である
- 「正午」や「子午線」「鬼門」といった言葉は十二支の時間・空間概念に由来する
- 還暦は干支が一巡し、生まれた年の暦に還ることを祝う「再生」の儀式
- 1966年の丙午の年には、迷信により日本の出生数が著しく減少した歴史がある
- 次の丙午は2026年に訪れ、社会の価値観が試される可能性がある
- 四柱推命は年・月・日・時間の4つの干支で運命の設計図を見る占術
- 特に生まれた日の干支(日柱)が、その人の本質や恋愛運を強く象徴する
- 干支が持つ五行の「相生」「相剋」の関係性から、他者との相性の力学がわかる
- 相剋は必ずしも悪い相性ではなく、関係性によっては成長の起爆剤にもなりうる
- 本格的な鑑定には専門知識が不可欠で、プロに頼ることでより深い自己理解が得られる
いかがでしたでしょうか。
十干十二支は、単なる占いという枠を超え、あなたの人生をより豊かに、そして客観的に見つめ直すためのヒントを与えてくれる、古代から受け継がれてきた素晴らしい知恵の体系です。
もし、ご自身の運命や気になる人との相性について、よりパーソナルで具体的なアドバイスが欲しいと感じたら、その道の専門家の力を借りてみることをおすすめします。